・・・それからと言うものの・・・初夜のあと・・・彼女とすぐに別れてしまうとは・・・
次の日、彼女のアパートへ行ってみると、どこからか管理人がやってきて、俺に彼女が越して行ってしまったことを告げた・・・俺は管理人に彼女がどこへ行ったのか聞いてみたが、分からないと答えるだけだった・・・
俺はしばらくの間、バイトにも勉強にも身が入らなくなり自堕落な生活が長く続いたが・・・いつしか、あの日のことをわすれるようになった・・・

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２年後、大学受験に失敗し親に説教され、インターネットの出会い掲示板にかじりついている俺がいた
「明美かぁ〜。」
俺の脳裏には彼女がなぜ何も告げずに出て行ったのかを問いつめたい気持ちでいっぱいだった・・・ そのあと、俺は彼女の文面を注意深く読み進めた
「・・・あすの午後1時に○○○駅の改札口で待ってます・・・」
俺はその記事を見て「ホントかな？」っと一瞬疑ったが・・・あの日突然出って行った理由が聞けるかもしれないと思い、あす彼女と落ち合う約束のレスを掲示板に書いて送った・・・

俺は約束の時間より一時間早く○○○駅に着いていた・・・
人違いだったらヤバイので物陰からそっと改札口を見るようにした。
「明美って言う名はいくらでもいるし・・・良樹って言ったって別の奴と間違えてる可能性だってある・・・」
俺は少し不安になった・・・なぜなら、こういった場所におびき出しといて強請られるかもしれないからだ
・・・としばらくしてから改札口から女の人が現れた
良く見ると、なにやら高級そうなハンドバッグにサングラスをかけてあたりをきょろきょろと見回しているようだった。
「どうやら人違いのようだな・・・」
俺は安堵とため息でいっぱいになり、その場を立ち去ろうとした・・・しかし、サングラスの女がかけていたサングラスをはずした瞬間、俺はあっと思った・・・

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・・・それは間違いなくあの「明美」だった・・・

それから、程なく俺は彼女に声をかけ・・・彼女と一緒にイタリアンカフェへと入って行った。
中へ入るとほとんど人がいないみたいだったので、俺としては２人きりで語り合うには格好の場所だと感じた。
「良樹君、おごろうか？」
明美は最後まで俺におごるつもりで先に切り出した。
「えっ・・・いいのかな？」
俺は少し遠慮気味に答えた。
「いいのよ。気にしなくて・・・板で声をかけたの私なんだから・・・」
「じゃあ・・・お言葉に甘えて・・・」
俺はそそくさとメニューを取り出して、適当に食べたいものを明美に告げた。
「チョコパフェ・・・好きなの？」
明美の顔から笑みが零れた。
「あははは・・・お恥ずかしながら・・・」
俺は少し照れながら答えた。
しばらく雑談の後、俺はなぜあのとき何も言わずに引っ越してしまったのか明美に聞いてみた。すると・・・
「じっ・・・実は・・・」
明美の口が急に重くなった・・・

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・・・明美はすでに結婚していた・・・
俺と体を交えた後、喧嘩別れしていた彼氏から電話がかかってきた・・・
「俺が悪かった・・・君に謝りたいんだ・・・あの子とはもう縁を切ったんだ・・・だから・・・俺の元に来てくれないか・・・」
その言葉を聞いた明美は、アパートを引き払って彼氏の元へ飛んで行き、彼氏とめでたく結婚、一児の母となったのだった。
しかし、幸せになると期待していた彼氏との生活は長くは続かなかった。
縁を切ったと言っていた女と不倫していたのだ。
彼女はそんな彼氏に嫉妬し、自分も不倫してやると心に決めて俺＜良樹＞に歩み寄ったのだった。
「。。。そういうことか。。。」
俺はこれ以上明美に対して問い詰めようとはしなかった。
彼女の顔には悲壮感が漂っていたからだ。
「もう昔のことなんてどうでもいいや・・・俺の趣味じゃないからな。それより、早くパフェ食いてぇーぜ」
俺の小学生のような話し振りに明美は思わず微笑んだ