上都葵から俺達を見たとき。。。洋一のやつまた別の女と付き合っている。。。と思うだろう。。。ここであまり葵と関わりたくないので俺は葵を無視するかのようにマリレイに話しかけようとしたが。。。
上都葵「あなたがこの前入ってきた留学生さん？」
葵はマリレイの方に話を向けた。。。
マリレイ「そうよ。」
マリレイが答える。
上都葵「ふ〜ん。洋一くんのところで居候しているんだ。。。」
葵は右へ左へ歩き見ながらマリレイの様子を伺う。。。
マリレイ「。。。それがどうかしたの？」
マリレイが訝しげに言う。。。
上都葵「あなた。。。洋一くんと寝たんでしょ？！」
葵は突然意味不明なことをマリレイに投げかける。。。
マリレイ「。。。！！」
マリレイは言葉を失った。。。それもそのはずだ。男子と夜を過ごすなんていきなり言われたらマリレイでなくっても閉口してしまう。。。
洋一「葵！何バカなことを言ってるんだよ！！」
俺は怒りに任せて葵を糾弾する。。。
上都葵「洋一くん。だって男女が一つ屋根の下にいるのよ。何もないって言うのが変でしょう？私だったらやっちゃうかな。。。」
葵はしれっとした顔で言うと。。。
マリレイ「何もないわよ。。。やるわけないでしょ！」
。。。マリレイは非難の目で葵に言う。。。
洋一「そうだよ！この五日間。委員長のところで英会話の家庭教師しているんだ！俺の家には親の伝を頼って日本で勉強するためにただホームステイしているだけだ！」
俺はマリレイがここにいる理由を葵に話したが。。。
上都葵「まぁいいでしょう。ホームステイしているだけならね。。。」
葵はなにやら意味深げに言うと。。。
上都葵「今の洋一くんは誰のものでもないんだ。。。ふ〜ん。じゃあ私が洋一くんにアタックかけても平気ってことね。」
葵はそう言って向きを変えると。。。
上都葵「じゃあ。。。洋一くん。。。放課後終わったらあたしの家に着なさい。」
洋一「なっ。。。なんだって！！」
上都葵「これは強制！英会話しに行ったらただじゃおかないからね。」
葵はそう言うとそのまま向こうへ去ってしまった。。。

マリレイ「私の鍵の効果が効いていない。。。」
マリレイがぼそっと呟いた。。。
洋一「ん？。。。なんて言ったんだ？？」
俺は聞き返すようにマリレイに言った。。。
マリレイ「彼女には鍵が効いていないのよ。。。彼女には私が洋一の親戚か妹のようにしか分からないはずなのに。。。」
洋一「。。。そうか？。。。」
俺は葵がいつものように噛み付く言い方をしているものと思ったが。。。マリレイの様子を見ると自信というか信念みたいなものが崩れ、ぼーとした感じに見えた。。。
洋一「気にすることはないって。あいつはああいうやつなんだ。。。」
俺はぶっきらだけどマリレイを励ましたつもりだったが。。。「万能鍵」は森羅万象あらゆる自然現象をも操ることのできるものだ。。。それが効かないということは俺の制約にも影響があるのではと思うのだ。
マリレイ「最近ね。。。鍵の力が弱まっていくのを感じるの。。。実はさ。。。洋一の部屋様子をこっそり伺ってたりするんだけどさ。。。時々、鍵が刺さっても引き出しが開かなくなることが多くなったのよ。。。」
洋一「お前。。。それはプライベート侵害ってやつだぞ！」
マリレイ「あははは。。。洋一ごめんね。。。」
マリレイが少しだけ笑顔が戻ってくれた気がした。。。そして俺は。。。
洋一「。。。だったら。。。鍵の効力が弱まっているというのなら。。。委員長との制約も弱くなってるんじゃないのか？」
マリレイが来てから５日が過ぎた。。。もし、俺の中にある「鍵」がマリレイと連動しているならば俺の中の「鍵」も効力が薄れているものと思った。。。しかし。。。
マリレイ「それはないと思う。。。」
洋一「。。。どうして？」
マリレイ「もし、洋一の考えていることだったら。。。私が現れたときに。。。洋一の中から「鍵」が私の元に返ってきていいはずよ。でも、それがないということは私の力が強かろうが弱かろうが関係ないということになるわ。。。」
やっぱり。。。だったのだ。。。マリレイは最初に「鍵には意思がある」と言っていたはずなのだ。だから、二振りの鍵が意思を共有しているとは限らないのだ。。。
洋一「。。。じゃあ。。。やっぱり。。。」
俺は少しだけ期待していただけにマリレイの言葉は俺の気持ちへこませるには十分であった。。。
マリレイ「。。。とにかく。。。今日は茜さんのところで英会話だからね。あの女のところに行ったら承知しないんだから。。。」
さて、俺はどっちにする。。。

葵の元へ行く
委員長のところへ行く