どのくらい寝たのだろうか。。。葵は寝返りを打つとその人の存在を確かめるように体を摩ろうとした。。。しかし。。。
上都葵「。。。だっ。。。誰？！」
それは洋一のものではないことが感覚的に分かった。背筋がぞっとする。。。

？？「。。。夜はあんなに激しくやってたのに。。。つれないのね。」
葵は起き上がってその実体を見極めようとした。それは洋一ではない。風変わりな格好をした金髪の少女だった。。。
上都葵「。。。だっ。。。誰なのあなたは！！」
さっきまでいたはずの彼が少女にすり替わっているなんて。。。恐怖で体が硬直してしまった。。。
？？「さっきまであなたの横になっていた彼は私なの。。。わかる？」
何のことを言ってるのか葵にはさっぱり分からなかった。。。
？？「無理もないわね。」
少女は話を続ける。。。
？？「あなたに言っても分からないでしょうけど。。。私は洋一の体から生まれ出た万能鍵。私を管理するはずだったマリレイっていう子が洋一をたぶらかして私を洋一の体の中に入れちゃったのよ。でね。私を取り出すのにあの子が委員長と洋一を恋仲にさせようとしたんだけど。。。失敗しちゃって。。。こうなっちゃったのよ。」
上都葵「。。。。。。。。」
そして少女は話を続ける傍らで手から鍵を出して葵の額にあてがう。。。
？？「ひどい子でしょう？マリレイって子は。。。あの子がいけないのよ。洋一を殺したのはあの子同然なのよ。」
上都葵「。。。そうね。。。」
葵は操られたかのように言った。。。
？？「ほら。。。あそこにあるのが洋一の抜け殻。。。分かる？」
鍵の少女は指差し、洋一の一部であることを葵に確認させる。。。葵の中で怒りが湧き上がりマリレイという子を殺せと急き立てる。。。そして鍵の少女は次のように言った。。。
？？「どこにいるか知りたいでしょ。マリレイって子はねぇ。洋一の家に居候しているのよ。今から行けば学校へ行く時間まで間に合うわ。」
そういうと少女は葵を連れ立って上都邸をあとにした。。。

どうして帰ってこないのだろう。。。マリレイは委員長宅から帰ってきてからずっと眠らずに洋一の帰りを待っていた。。。きのうからずっと鍵を使って洋一のいる場所を探っているのに鍵は刺されど開けることができずにいた。なぜ、鍵で開けられなくなってしまったのか？マリレイには何かなんだか分からなくなっていた。そのとき。。。

ピーンポーン！

マリレイ「は〜い！」
洋一が帰ってきたと思い。マリレイは玄関まで飛んでいくように行った。。。そして、玄関の扉を開けると。。。
マリレイ「ようい。。。？。。。あなた。誰？」
洋一ではなかった。。。仁王様のような怒りの表情をした上都葵だった。。。
上都葵「あなたがマリレイね。」
そういうと手に持っていた金属バットのようなものでいきなりマリレイの後頭部へ一撃を見舞った。。。
マリレイ「あう！」
マリレイは玄関先で崩れ落ちるように倒れた。
マリレイ「。。。な。。。なぜ！」
上都葵「あんたがいけないのよ！洋一くんをたぶらかせて！！この薄汚い泥棒猫！！死ね！死ね！死ね！死ね！死ね！死ね！死ね！死ね！死ね！死ね！死ね！死ね！死ね！死ね！死ね！死ねぇーーーーー！」
尚も追い討ちをかけるようにマリレイに殴り続ける。。。マリレイの意識はすでになくなっていた。。。


。。。どのくらいたったろうか。。。マリレイはボーっと何もない真っ暗な空間を見上げている。。。すると。。。
？？「。。。あなたの役目はもう終わったのよ。。。」
そんな声がどこからともなく聞こえてきた。
マリレイ「。。。だ。。。誰？」
？？「あなたは役割を果たせなかった。。。あなたは鍵の姿に戻るの。」
マリレイ「。。。そ。。。そっか。。。私、死んだのね。」
そして声のする方向へ顔を向ける。それはマリレイのような風変わりな格好をした金髪の少女だった。。。
？？「私は洋一の中から生まれた鍵。さぁ〜これからは私があなたの主となるのよ。」
マリレイ「。。。そ。。。そっか。。。分かったわ。以前、私もあなたと同じことをしていたのね。。。ふふふ。。。はははは。。。」
突然、マリレイが笑い出すと鍵の少女は思いもよらないといった感じで。。。
？？「。。。なっ。。。何がおかしいの？」
マリレイ「。。。私は鍵に戻るけど。。。取れるものならとって御覧なさい！！」
マリレイは鍵になった瞬間、どこかの空間へ行ってしまった。。。

？？「。。。しっ。。。しまった！」

こうして万能鍵による悲劇の連鎖は続くのであった。
−ＢＡＤＥＮＤ−